貸借対照表の読み方を徹底解剖!

投資判断において、企業の財務状況を把握することは非常に重要です。損益計算書と並んで重要なのが、**貸借対照表(バランスシート)**です。 貸借対照表は、ある時点における企業の財務状態をスナップショットのように切り取ったもので、企業が どのような資産を持ち、どのような負債を抱えているのか を明らかにします。

今回は、貸借対照表の見方を詳しく解説し、企業の財務体質を徹底的に分析していきます!

貸借対照表の基本構造:資産=負債+純資産

貸借対照表は、「資産」「負債」「純資産」 の3つの要素で構成されています。

  • 資産:企業が事業活動のために保有している財産や権利のこと。現金、預金、売掛金、土地、建物、機械設備など、様々なものが含まれます。
  • 負債:企業が将来的に返済する義務を負っているお金のこと。借入金、買掛金、未払金などが含まれます。
  • 純資産:企業の資産から負債を差し引いた金額。株主が出資した資本金や、過去の利益の積み重ねである利益剰余金などが含まれます。

貸借対照表は、常に 「資産=負債+純資産」 という等式が成り立ちます。この等式は、企業の財産は、資金の調達源である負債と純資産の合計と一致する ことを意味しています。

資産を詳しく見てみよう!

資産は、「流動資産」「固定資産」 に大別されます。

  • 流動資産: 1年以内に現金化される可能性が高い資産のこと。
    • 現金及び現金同等物: 企業が保有する現金や、すぐに現金化できる資産。
    • 受取手形: 取引先から受け取った手形。
    • 売掛金: 商品やサービスを提供した際に、代金を後から受け取る権利。
    • 棚卸資産: 販売を目的として保有している商品や製品。
  • 固定資産: 長期にわたって使用される資産のこと。
    • 有形固定資産: 土地、建物、機械設備など、形のある資産。
    • 無形固定資産: 特許権、商標権、ソフトウェアなど、形のない資産。
    • 投資その他の資産: 長期保有を目的とした株式や債券などの投資。

負債を詳しく見てみよう!

負債も、「流動負債」「固定負債」 に大別されます。

  • 流動負債: 1年以内に返済期限が到来する負債のこと。
    • 支払手形: 取引先に対して発行した手形。
    • 買掛金: 商品やサービスを購入した際に、代金を後から支払う義務。
    • 短期借入金: 返済期限が1年以内の借入金。
  • 固定負債: 返済期限が1年を超える負債のこと。
    • 長期借入金: 返済期限が1年を超える借入金。
    • 社債: 企業が資金調達のために発行する債券。

純資産を詳しく見てみよう!

純資産は、企業の所有者に帰属する部分であり、主に以下の項目で構成されます。

  • 資本金: 株主が出資した元々の資金。
  • 資本剰余金: 株主からの出資のうち、資本金以外に計上される部分。
  • 利益剰余金: 過去の利益の積み重ね。

貸借対照表分析のポイント:安全性、収益性、成長性をチェック!

貸借対照表を分析することで、企業の 安全性収益性成長性 を見抜くことができます。

安全性分析:倒産の危険性をチェック!

企業が安全に事業を継続できるかどうかを判断するために、以下の指標をチェックしましょう。

  • 流動比率: 流動資産を流動負債で割った指標。1年以内に返済すべき負債に対して、どれだけ現金化できる資産を持っているかを表します。一般的に、200%以上 が望ましいとされています。
  • 負債比率: 負債を総資産で割った指標。企業の資産のうち、負債がどれくらいを占めているかを表します。 負債比率が高いほど、借金に頼って事業を行っていることを意味し、返済負担が大きくなるため、40%以下 が望ましいとされています。

収益性分析:効率的な経営をチェック!

企業がどれくらい効率的に利益を生み出しているかを判断するために、以下の指標をチェックしましょう。

  • 総資産回転率: 売上高を総資産で割った指標。企業が保有する資産をどれだけ効率的に活用して売上を上げているかを表します。この数値が高いほど、資産の運用効率が良いと言えます。

成長性分析:将来の発展性をチェック!

企業が将来に向けてどれだけ成長する可能性があるかを判断するために、以下の指標をチェックしましょう。

  • 総資産増加率: 前期末の総資産と比較して、当期末の総資産がどれだけ増加したかを表す指標。 企業の規模の拡大スピードを把握することができます。

貸借対照表分析の実例:デルタ航空 vs Google

動画で紹介されていた デルタ航空Google の貸借対照表を比較してみましょう。

デルタ航空:多額の負債を抱える航空会社

デルタ航空は、航空機や空港施設などの巨額な固定資産を保有しているため、総資産は Google よりも大きくなっています。 しかし、同時に多額の負債を抱えており、流動比率も低い水準にとどまっています。 航空業界は、景気変動や燃料価格の影響を受けやすく、収益が不安定になりがちです。 デルタ航空の財務状況は、決して盤石とは言えず、注意が必要です。

Google: 盤石な財務基盤を持つ巨大IT企業

Google は、現金や預金などの流動資産を豊富に保有しており、流動比率も非常に高い水準にあります。 また、負債比率も低く、財務基盤は非常に安定していると言えます。 Google は、検索エンジンや YouTube、 Android など、世界中で利用されているサービスを多数展開しており、今後も安定した収益成長が期待できます。 そのため、財務リスクは低いと考えられます。

結論:貸借対照表分析で企業の財務体質を見抜こう!

貸借対照表は、企業の財務状態を分析するための重要なツールです。貸借対照表を読み解くことで、企業の安全性、収益性、成長性を見抜き、投資判断に役立てることができます。 投資を行う際には、損益計算書だけでなく、貸借対照表も必ずチェックするようにしましょう。

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