本記事では、「ヘルスケアの老舗大手」であるJohnson & Johnson社(ティッカー:JNJ)のビジネスモデルや強み・弱みについて分析した内容を網羅的にまとめています。
ぜひ参考にしてくださいね。
Johnson & Johnsonの基本情報
企業名 | Johnson & Johnson |
産業 | 医薬品、医療機器、消費財 |
設立 | 1886年 |
本社 | 米国ニュージャージー州ニューブランズウィック市 |
CEO | Alex Gorsky |
収益 | 826億米ドル(2020年) |
純利益 | 147億米ドル(2020年) |
従業員数 | 約134,000人 (2020年) |
主な製品 | バンドエイド、タイレノール、ニュートロジーナ、リステリン、アキュビュー |
ジョンソン・エンド・ジョンソンは、ヘルスケアおよび消費財産業で事業を展開する多国籍企業です。
1886年に設立され、米国ニュージャージー州ニューブランズウィックに本社を置き、現在は60カ国以上で事業を展開している、世界最大かつ最も多角的なヘルスケア企業の一つですね。
主な製品ポートフォリオには、医薬品、医療機器、消費財が含まれており、最も有名なブランドには、バンドエイド、タイレノール、ニュートロジーナ、リステリン、アキュビューがあります。
日本でも多くのCMが打たれて、多くの人に認知されてる企業ですね。
Johnson & Johnsonのビジネスモデルを徹底解説
ジョンソン・エンド・ジョンソンのビジネスモデルは、3つの主要部門を中心に構築されています。
- 医薬品
- 医療機器
- コンシューマーヘルス
それぞれ解説しますね。
医薬品
医薬品部門では、免疫疾患、腫瘍、神経科学、心血管疾患、代謝性疾患など、さまざまな治療領域における処方薬の開発および販売に注力しています。
ジョンソン・エンド・ジョンソンは、世界中の患者の健康と生活の質を向上させることができる革新的な医薬品と治療法を開発するために、研究開発に多額の投資を行っています。
医療機器
こちら部門では、整形外科用、外科用、循環器用、診断用など幅広い医療機器の設計・開発・販売に携わっています。
医療機器事業は、医療従事者が患者の予後を改善し、コストを削減し、医療提供の効率を向上させるのに役立つ革新的な製品を提供することに重点を置いています。
コンシューマーヘルス
こちらの部門は、一般用医薬品、スキンケア製品、美容製品、ベビーケア製品など、幅広い消費者向け健康製品を販売・流通させています。
ジョンソン・エンド・ジョンソンの最も有名な消費者ブランドには、バンドエイド、タイレノール、ニュートロジーナ、リステリンなどがあります。
Johnson & Johnsonの最も収益性の高い事業とは?
2020年におけるジョンソン・エンド・ジョンソンの最も収益性の高い事業は医薬品でした。
医薬品事業は、総収入の約51%、総営業利益の約63%を生み出しました。
同社の医薬品事業には、免疫学、腫瘍学、神経科学、心血管・代謝疾患治療薬など、幅広い製品が含まれています。
医薬品事業は、ジョンソン・エンド・ジョンソンの事業全体の中で、高成長・高収益の分野であり、革新的な新薬を市場に投入するために、研究開発に多大な投資を行っています。
近年では、慢性リンパ性白血病の治療薬「イムブルビカ」や多発性骨髄腫の治療薬「ダーザレックス」など、市場で成功を収めている新薬も複数発売されていますね。
ジョンソン・エンド・ジョンソンの他の事業部門である医療機器部門やコンシューマーヘルス部門も同社全体の事業にとって重要ですが、医薬品部門は依然として最も収益性が高く、最も成長率の高い事業であると言えます。
Johnson & Johnsonの所属しているセクターは?
ジョンソン・エンド・ジョンソンはいくつかのセクターに属しており、主にヘルスケアと消費財のセクターに属しています。
ヘルスケア・セクターの中では医薬品、医療機器、ヘルスケア・サービスなど複数のサブセクターで事業を展開しています。
Johnson & Johnsonの強みや優れている点を総まとめ
ジョンソン・エンド・ジョンソンには、ヘルスケアと消費財の分野でグローバルリーダーとなるための強みと利点がいくつかあります。
その主な強みと優位性には、以下のようなものがあります。
多様な製品ポートフォリオ
ジョンソン・エンド・ジョンソンは、医薬品、医療機器、コンシューマーヘルスの各セグメントにまたがる幅広い製品ポートフォリオにより、複数のソースから収益を得ることができ、特定のセグメントにおけるリスクにさらされることを軽減できます。
強いブランド評価
ジョンソン・エンド・ジョンソンは、130年以上にわたる事業活動によって築き上げられた、高いブランド評価を得ています。
そのブランドは、世界中の消費者や医療従事者によく知られ、信頼を得ています。
イノベーションの重視
ジョンソン・エンド・ジョンソンは、研究開発に多額の投資を行っており、アンメット・メディカル・ニーズに対応し、患者の転帰を改善する革新的な製品や技術の開発に重点を置いています。
世界的な存在力
ジョンソン・エンド・ジョンソンは、世界60カ国以上で事業を展開しており、先進国市場と新興国市場の両方で存在感を示しています。
このグローバルな事業展開により、同社は新規市場への参入と顧客基盤の拡大を実現しています。
強力な財務実績
ジョンソン・エンド・ジョンソンは、一貫した収益の伸びと収益性により、強力な財務実績を残しています。
この財務の強さが、成長機会への投資や景気後退への耐性を可能にしています。
まとめると、ジョンソン・エンド・ジョンソンの強みと優位性は、ヘルスケアおよび消費財産業における継続的な成長と成功のために十分な位置を占めていると言えますね。
Johnson & Johnsonの弱点はズバリこれ
ジョンソン・エンド・ジョンソンは多くの強みを持つ一方で、いくつかの弱点や課題にも直面しています。同社の弱みには、以下のようなものがあります。
主要製品への依存度
ジョンソン・エンド・ジョンソンの収益は、多様な製品ポートフォリオにもかかわらず、免疫薬「レミケード」や抗がん剤「ザイティガ」など少数の主要製品に大きく依存しています。
これらの製品の売上が減少した場合、同社の業績に重大な影響を与える可能性があります。
激しい競争
ジョンソン・エンド・ジョンソンは、様々な事業分野において、他の大規模多国籍企業との激しい競争に直面しています。
このような競争は、当社の市場シェアおよび価格設定力に影響を与える可能性があります。
規制環境
ヘルスケア企業であるジョンソン・エンド・ジョンソンは、広範な規制および監督の下にあり、製品をタイムリーかつコスト効率の高い方法で開発し市場に投入する能力に影響を与える可能性があります。
特許の期限切れ
ジョンソン・エンド・ジョンソンの主要製品の多くは、今後数年のうちに期限切れとなる特許で保護されています。
このため、後発医薬品メーカーとの競争が激化し、同社の売上高および収益性が圧迫される可能性があります。
これらの弱点はジョンソン・エンド・ジョンソンにとって課題ですが、
- 同社の強いブランド評価
- イノベーションへのコミットメント
- 多様な製品ポートフォリオが
これらのリスクを軽減し、継続的な成功に向けたポジションを与えています。
Johnson & Johnsonの地域別売上構成比
ジョンソン・エンド・ジョンソンの地域別売上高比率は、同社の2020年の年次報告書時点では以下の通りです。
- 米国49.9%
- 欧州・中東・アフリカ:25.7%
- アジア太平洋地域:20.8%
- その他3.6%
米国の比率が大きいですが、いい感じに世界全体で売上を上げているという印象が持てます。
Johnson & Johnsonの財務安定性を分析してみた
ジョンソン・エンド・ジョンソンは、強固な財務体質を持つ多角経営の大企業です。
同社は強固なバランスシートを持ち、強力なキャッシュフローを生み出し、一貫して高い収益性を発揮しています。
個人的な意見にはなりますが、過去の財務資料を参考にすると、ジョンソン・エンド・ジョンソンの財務の安定性は10点満点で9点と評価できます。
さらに、同社は長年にわたり安定的に配当を増やしてきた実績があり、インカムゲイン志向の投資家にとって魅力的な企業と言えるでしょう。
Johnson & Johnsonの公式サイトとWikipedia記事
公式サイトはこちら
Wikipediaの記事はこちら
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