【米国株】STANLEY BLACK & DECKER(SWK)の銘柄分析

本記事では、「工具用品の世界的リーダー」であるSTANLEY BLACK & DECKER社(ティッカー:SWK)のビジネスモデルや強み・弱みについて分析した内容を網羅的にまとめています。

ぜひ参考にしてくださいね。

STANLEY BLACK & DECKERの基本情報

企業名Stanley Black & Decker
産業Manufacturing and tools
設立1843年
本社米国コネティカット州ニューブリテン
CEOJames M. Loree
収益171億ドル(2021年)
当期純利益17億ドル(2021年)
従業員数約61,000人
主な製品ハンドツール、パワーツール、セキュリティシステム、ファスニングシステム、産業機器
主なブランドStanley, Black+Decker, DeWalt, Craftsman, Proto, Irwin, Lenox, CribMaster, Vidmar, Lista, Sonitrol, Facom, Mac Tools

Stanley Black & Decker(スタンレー・ブラック・アンド・デッカーは、ハンドツール、パワーツール、セキュリティシステム、ファスニングシステム、産業機器などを製造・販売する世界的な企業です。

1843年に設立され、米国コネティカット州ニューブリテンに本社を置く、かなり歴史のある企業でもありますね。

同社の製品とサービスは、建設、産業、自動車、日曜大工の各市場で専門家や消費者に利用されており、世界175カ国以上で事業を展開している大企業です。

STANLEY BLACK & DECKERの所属セクターは?

STANLEY BLACK & DECKERは製造業に属し、主にハンドツール、パワーツール、セキュリティシステム、ファスニングシステム、産業機器の製造と販売を行っています。

ですが、同社の製品やサービスは、建設、産業、自動車、DIYなど、さまざまな産業や分野で利用されているので、これらの産業や分野でも存在感を示せるでしょう。

STANLEY BLACK & DECKERのビジネスの市場規模とは?

STANLEY BLACK & DECKERは複数の産業や分野で事業を展開しているため、正確に推定することは困難ですが、グランドビューリサーチ社のレポートによると、

世界のハンド&パワーツールの市場規模は2020年に267億ドル、2028年には409億ドルに達し、2021年から2028年までの年間平均成長率(CAGR)は5.5%で成長すると予測されています。

ハンドツール、パワーツール市場以外にも、セキュリティシステム、ファスニングシステム、産業機器などの市場で事業を展開しており、それぞれ独自の市場規模を有しています。

なので、STANLEY BLACK & DECKER社の事業全体の市場規模は相当なものになる考えられますね。

STANLEY BLACK & DECKERのビジネスモデルを徹底解説

STANLEY BLACK & DECKER社のビジネスモデルは、複数の産業と地域にまたがる製品とブランドの多様なポートフォリオに基づいています。

同社は以下の3つの事業セグメントを通じて事業を展開しています。

  • ツール&ストレージ
  • 産業用機械
  • セキュリティ

ツール&ストレージ

ツール&ストレージ部門は、プロ用および一般消費者用のハンド&パワーツール、ストレージソリューション、関連アクセサリーの製造・販売をしています。

このセグメントでは、Stanley、Black+Decker、DeWalt、Craftsmanなど、幅広いブランドを扱っています。

産業用機械

産業用機械部門は、自動車、航空宇宙、建設など様々な産業向けの工業用ファスニングシステムや工業用工具・機器の製造・販売をしています。

当部門では、Stanley Engineered Fastening や Proto などのブランドを提供しています。

セキュリティ

セキュリティ部門は、入退室管理システム、ビデオ監視システム、商業および住宅顧客向け監視サービスなどの電子セキュリティ・ソリューションの製造・販売をしています。

このセグメントでは、Sonitrol、PACOM、STANLEY Security Solutions などのブランドを提供しています。

STANLEY BLACK & DECKERの最も収益性の高い事業とは?

前提として、STANLEY BLACK & DECKER社の最も収益性の高い事業セグメントは、市場の需要、経済状況、同社自身の業績など様々な要因に左右されるため、年によって変動します。

2021年には、ツール&ストレージ部門が最大かつ最も収益性の高い事業セグメントとなり、総収入の約73%、営業利益の約78%を占めています。

こちらの部門は、特にDIYやEコマースチャンネルでの製品需要が旺盛で、新興国市場でも成長を遂げました。

しかし、例年、産業用機械やセキュリティなど、他の部門が最も利益を上げています。

例えば、2019年は産業用機械が最も収益性が高く、総収入の約39%、営業利益の約49%を占めています。

というように現在、STANLEY BLACK & DECKERでは、ツール&ストレージセグメントが最も収益性が高いが、市場環境や異なる事業セグメントの業績によっては、収益性は変化する可能性があるということを頭に入れておきましょう。

STANLEY BLACK & DECKERの競合他社まとめ

スタンレー・ブラック・アンド・デッカーは、その事業分野ごとにいくつかの競合他社を抱えています。

以下では、その主な競合他社を紹介します。

ツール&ストレージ部門の競合

  • テックトロニック・インダストリーズ社:ミルウォーキー、AEG、リョービ、フーバーなどのブランドで電動工具やアウトドア製品を幅広く生産している香港の企業
  • マキタ社:ドリル、ノコギリ、サンダーなどの電動工具を自社ブランドで製造・販売する日本企業

産業用機械の競合

  • イリノイ ツールワークス社:ITW Shakeproof、ITW Fastexなどのブランドで、さまざまな産業用途のエンジニアードファスナー、コンポーネント、アセンブリを製造・販売する米国企業
  • ヒルティ社:リヒテンシュタインに本社を置き、建設業界向けに電動工具、ファスニングシステム、ソフトウェアソリューションを提供する企業

セキュリティ部門の競合

  • ADT:ビデオ監視や入退室管理などの電子セキュリティやオートメーションソリューションを住宅や商業施設向けに提供している米国企業
  • Johnson Controls International plc:アイルランドを拠点に、火災・侵入検知、入退室管理、ビデオ監視などの総合セキュリティソリューションと、ビルディングオートメーション、エネルギー管理ソリューションを提供する企業

これらは、スタンレー・ブラック・アンド・デッカーの各事業分野における競合他社のほんの一例に過ぎず、その他の競合他社には、ボッシュ、スナップオン、エマソン・エレクトリックなどがありますね。

STANLEY BLACK & DECKERの強み・優位性を徹底解説

STANLEY BLACK & DECKERは、世界有数の総合産業企業としての地位を維持するために、いくつかの強みと優位性を持っています。ここでは、その主な強みをご紹介します。

製品ポートフォリオの多様化

STANLEY BLACK & DECKERは、ハンドツール、電動工具、ストレージソリューション、ファスニングシステム、セキュリティソリューションなど、複数の業界にわたる広範で多様な製品ポートフォリオを持っています。

この多様性により、同社はリスクを軽減し、異なる市場における成長機会を活用することができます。

強いブランド認知度

STANLEY BLACK & DECKERの所持ブランドは、スタンレー、ブラック+デッカー、デウォルト、クラフツマンなどは、世界中の顧客によく知られ信頼されています。

このブランド認知度により、顧客を引き付け、競争上の優位性を獲得することができています。

イノベーションと研究開発

革新的な新製品を市場に投入し、既存製品を強化するために、研究開発に多額の投資を行っています。

技術革新と研究開発に注力することで、競合他社に先行し、変化する顧客ニーズに対応することが可能です。

グローバルな事業展開

STANLEY BLACK & DECKERは、60カ国以上で事業を展開し、世界的に強い存在感を示しています。

このグローバルな事業展開は、多様な市場や顧客基盤へのアクセスを可能にし、規模の経済を活用することを可能にしています。

業務効率化

コスト削減と収益性向上を実現するため、業務効率に重点を置いている企業です。

リーン生産方式やその他の効率化策を導入し、業務の合理化と競争力の強化に努めています。

まとめるとこんな感じ↓

STANLEY BLACK & DECKERは、多様な製品ポートフォリオ、高いブランド認知度、技術革新と研究開発への注力、グローバルな事業展開、経営効率などの強みと優位性により、産業用およびセキュリティソリューション市場におけるリーダーとしての地位を維持しています。

STANLEY BLACK & DECKERの弱点はズバリこれら

STANLEY BLACK & DECKER社にはいくつかの強みがありますが、一方で弱点もあります。

その主な弱点を紹介します。

主要顧客に対する依存度

STANLEY BLACK & DECKERの収益の大部分は、大型小売店や販売店など少数の主要顧客から得られています。

このような少数の顧客への依存は、交渉力の低下や、これらの顧客が競合他社に移行した場合の収益損失の可能性などのリスクがあります。

経済情勢の影響

多角的な産業企業として、STANLEY BLACK & DECKERは、建設業や製造業などの異なる産業における経済状況や循環的なトレンドにさらされています。

景気の後退や低成長期は、当社の収益にマイナスの影響を与える可能性があります。

高い負債水準

STANLEY BLACK & DECKERは、負債比率が高く、金利や負債コストの変動に対して脆弱である可能性があります。

また、この高い負債水準は、投資や買収の面で、同社の財務の柔軟性を制限することにつながります。

STANLEY BLACK & DECKERの地域別売上高比率

STANLEY BLACK & DECKERの2021年通年の地域別売上構成比は以下の通りです。

  • 北米:56%
  • ヨーロッパ: 25%
  • アジア太平洋: 12%
  • 新興国7%

STANLEY BLACK & DECKERの財務健全性を分析

STANLEY BLACK & DECKERは、グローバルに展開する多角経営の大企業であり、着実な収益成長と健全なバランスシートにより、堅実な財務体質を有しています。

2021年末時点の主要な財務指標を紹介します。

  • 売上高: 164億ドル
  • 当期純利益:16億ドル
  • 総資産:294億ドル
  • 負債総額:116億ドル
  • 営業キャッシュフロー:26億ドル

同社の負債比率は比較的高いが、近年は減少傾向にあり、財務の安定性が向上しています。

また、この企業は長期間にわたって一貫した配当金を支払っており、財務体質への自信はあるでしょう。

これらの財務指標と安定した業績の歴史から総合的に判断すると、STANLEY BLACK & DECKERは財務的に安定した企業である言えます。

STANLEY BLACK & DECKERの公式サイトとWikipediaページ

公式サイトはこちら

https://www.stanleyblackanddecker.com/

Wikipediaの記事はこちら

Stanley Black & Decker - Wikipedia

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